私は生井笑美子(ナマイエミコ)。
現在21歳だ。
昔大手企業に勤めていたが、3年目で会社を辞めた。
上司の嫌がらせに耐えられなくなりやめた。
そして彼氏の塚越豊(ツカコシユタカ)と同棲中だ。
私の親の反対を押し切って同棲を始めた。
豊はとても優しくて子どもが大好きな人である。
仕事は保育士をしている。
私はこんな豊に出会えて幸せだと感じる今日この頃。
親の反対を押し切って暮らしているが、2人ともとても幸せに暮らしてる。
いや、正しくは3人で幸せに暮らしてる。
つい最近赤ちゃんが産まれたのだ。
赤ちゃんの名前は美月。
とっても可愛い女の子だった。
自分の子どもってなんて愛らしいのだろう。
豊も美月を見てはにやけてる。
ただ、ただ幸せをかみしめる毎日だった。
そんな中ある一本の電話で私は凍りついた。
うそだ
としか思えなかった。
豊が
豊が…
事故で瀕死??
そんなの嘘…嘘!!
豊が死ぬわけない。
そう豊が死ぬなんて
ありえないんだから。
大丈夫、大丈夫。
と自分に言い聞かせ
病院に向かった。
豊は眠っているようだった。
「ねえ豊」
…………
「起きてよ」
………
「目を開けて…」
私は豊にしがみついた。
「ねぇってば!!」
「聞こえてるくせに!!」
……………
豊は目を開けなかった。
私は涙が溢れることなく
放心状態になった。
死ぬわけがない。
それしか頭をよぎらなかったのだ。
(続く)