雨がやんだ。
「あの人ね、国分先輩の彼女だよ。」
後ろを振り向くと、ァタシの方に傘を傾けている不二先輩がいた。
『どうゆうこと...?』
「彼女と喧嘩して別れそうだったからハチを捕まえたけど、仲直りしたらしいよ?」
『ァタシはっ...?』
「もう...
いらないみたい。」
いらない?
ァタシは彼女の代わりだったの?
「ハチ?大丈夫?」
ァタシはその場に崩れるように座り込んだ。
幸せだったのはァタシだけ?
国分先輩はァタシと居る時も、違う人の事を考えてたの?
あの笑顔は?
あの言葉は?
あのキスは?
…嘘?
もう何も考えられない。
「俺がハチを守るよ。」
無力にしゃがみこんだァタシを不二先輩が後ろから優しく抱き締めてくれた。
「いつの間にかハチの事好きになってたみたい。だから...俺がハチの隣でハチを支えたい。」
『でも...ァタシまだ国分先輩が好きだから。』
「俺の事利用していいよ?寄りかかって頼りにしていいから。...一人にならなくていいんだよ?」
『それじゃあ、不二先輩を傷つけちゃう...』
「ハチになら傷つけられたって構わない。」
その言葉信じていいの?
ァタシ…もう傷つきたくない。