ドアを開けるとそこには女の子がいた。
黒い髪だが瞳はブルーの変わった子だった。
不思議な雰囲気を身に纏い、見る者を引き付けて離さない。
だが、今日で一体何回目だろうか。
変な夢を見る様になってからほぼ毎日現れる様になった。
この少女は《夢》に関係があるのだろうか?
「普通に考えて、そんな話があるわけないし…」
「?」
思わず独り言が漏れてしまった。
聞こえたのか聞こえてないのか分からないが、少女は首を傾げている。
はたから見たらすごく可愛いのだろう。
自分にとっては不気味で仕方がないが…。
少女はいつも顔を見せるとしばらく見つめた後、帰っていく。
一体何がしたいか?
最初は考えたものだが、最近は気にしない様にしている。
不気味ではあるが、敵意はもっていない。
敵意のない者をどうかしようなんて、今のところは思っていない。
気が付けば少女はいなくなっていた。
「まったく、何なんだいったい。
…まぁ、気にしないほうがいいかな?」
軽い気持ちでいた、この時、この場所で…。
だが、変化は確実に迫っていた。
少女は誰に話し掛けるでもなく呟いた。
『オリンとニクスは死んだ……門番は殺され…力は主へ…。』