「お前、騎手なったらええんちゃう?」
その友人の一言で僕の人生はかわった
小学生の時確かオグリキャップとかは一時期ブームになってたけど…
「騎手?何それ…。」
というのが僕の最初の感想だった
その週末、初めてじっくりと競馬を見た
その日は「高松ノ宮記念」がG1になったばかりの時のレースで、何年か前にナリタブライアンが出走していた
「へぇ〜結構カッコイイかも」
翌日、僕に騎手になる事を進めた友人に
「昨日初めて競馬見たわ
騎手ってカッコイイやん!でもどうやったなれるん?よくわからんし…どうしたらええの?」
友人は
「実は俺の親父JRAの職員やから聞いといたるわ」
友人は結構乗り気で答えてくれた
この時僕は本気で騎手になりたいとは思っていなかった。
翌日友人がいきなり
「来週末に阪神競馬場に来いよ!馬乗せてくれるってさ」
僕は正直、
「………!?マジで……。」
と思った
まあでもせっかく乗せてくれるって言ってくれてるし、乗ってみたいとも思ってたので僕は軽く
「OK」
と返事した
週末、僕は阪神競馬場に行った
僕の家から競馬場までの距離はかなりあって電車をいろいろ乗り継いで約2時間以上かかる。
迷いながら阪神競馬場にある乗馬センターに着いた。
その時初めて馬の臭いを体で感じたが不思議と違和感はなかった。
そして友人の父親に会った
「息子から話は聞いてるわ。じゃあさっそく乗ってみるか?」
いきなりの事に僕はビックリして思わず
「ハイ!」
と答えてしまった
内心めちゃくちゃドキドキしていた
ヘルメットかぶり、ブーツはいて、いざ馬に跨がった
初めて馬に乗る時は、恐がる人が多いらしいが僕は全く恐くなかった
むしろ逆に気持ちよかった。
僕は昔から身長が低かったため、人を上から見るという事がなく、馬上から見る景色は最高だった
この時僕は直感的に自分にあってると感じた
そしてこの日から僕の馬生活が始まった
この時、僕はちょうど中学3年になったばっかりだった