鳴り響く警報、そこに入って来る漆黒のローブに身を包む男達、
次々に殺される人々、
そんな中、一人の女性がその男達を退き、逃げている。
そして、外にようやく脱出出来た。
しかし、彼女にはもう逃げる力は残っていなかった。
彼女は自分の持っていた箱に呪文のようなものをかけた、すると箱は、翼を持ち、彼方へと飛んで行った。
「ごめんねマリア、私、帰れそうにないわ」
諦めと悲しみに満ちた、笑顔で彼女は呟く、
そして、追い付いて来た男達の一人が放った黒い火球のようなものを浴び、彼女な身体は灰になるのだった・・・
お母さんが帰って来る!
その手紙が届いて一週間、いよいよその日がやってきて、私の心は弾んでいた。
魔術の研究が忙しいのに、久しぶりに帰って来てくれる。
昨日から母さんの好物を沢山作り、家の掃除をし、母さんのベットのシーツを洗濯し、母さんの帰りを待っていた。
「おかしいな〜そろそろ帰ってくるはずだけどな〜」私が料理を温めて待っていると、
外からドスン、と大きな音が鳴る。
「キャッ!」
びっくりして外に出てみると、家の前に黒い箱が大きな穴を作って、落ちていた。
「な、なんだろこれ?」
私が近付くとその箱が開いた。
恐る恐る、中を除くと中には数枚のカードとそれを入れるホルダーのようなものが四つついた腕輪が入っていた。
よく見ると腕輪には見覚えのあるサインが刻印されていた。『Rose』
母さんの刻印だ、私は慌てて、それを取り出した。
すると頭の中に母さんの声が響いて来る。
『マリア、マリア・・・・・・』
「か、母さん!?どうしたの?それにこれは?」
『落ち着いて、マリア、そのカードとホルダーを持って逃げなさい。』
「逃げるて、どこへ?母さん、どこにいるの?」
『今はあえない、でも腕輪から話すことが出来るから、!ておくれだったみたいね』
母さんの言葉を聞いて、慌てて周りを見渡す、
するとこちらに漆黒のローブを纏った男が向かって来ていた。
「まったく、こんな小娘にカードと鍵を渡すとは、そこまで余裕がなかったのか?」
その男がため息をつく。
「おい、小娘!その腕輪とカードをこちらに渡せ!命だけは助けてやる」
めんどくさそうにその男が言う。
「渡せるわけないじゃない!これは母さんがくれたのよ!」