少年たちがとってきた果実をそれぞれが食べている。
皆何か考えているのか、無言で食べる。
少年だけがそんな表情をチラチラ見ていた。
クルーは心配そうにロランを見つめていた。 ロランをどれ程大切にしているかが分かる。
少しだけ聞こえた“夢”の話。
2人はその事を考えているのだろう。
果実は酸っぱく、
お世辞にも美味しいとは言えない。
ソア「不味い…」
一面に広がる白く小さな花。
風に吹かれ柔らかく揺れ、甘い香りが鼻先を擽る。 淡いブルーのスカートの裾を揺らし、
花の中に埋もれた石板の前にゆっくりと屈む。
石板は名前でなく羽根の絵が掘られていた。
シワシワの白く小さな手がその絵をそっとなぞる。 ケホッ‥
咳が出た。
ケホッケホッ
手で口を抑える。
ふと手を見る。
赤黒い血が付いていた。 何かに気付き見上げる。 そこに美しい『青』が広がっていた。
涙が溢れた。
彼を想って…。