桜が倒れたと聞いて、私は部活そっちのけで、保健室に走っていた。
部屋には、横になっていた桜が私に気付いて、
「や、大和君!どうしたの?」
全速力で走ってきたので、息を切らしていた私に、桜は驚く。
「だ、大丈夫か?」
「ゴ、ゴメン。心配かけちゃって、大丈夫だから」
そう答えるが、どう見ても桜は辛そうに見えた。
目は弱々しく私を見ていて、身体は少し震えていた。「いいから寝とけって。桜を見てるだけで分かるから」
「大和君、ゴメンね?私の事ばかり心配してくれて。大和君だって部活大変なのに、いつも私ばかり」
彼女は布団を握り締めて泣いていた。
「しっかりしろ。桜は、自分の事を考えてろよ。オレは桜の隣で、お前のことをしっかり見ててやるから」桜の頭を撫でながら言う。そんな私に桜は、
「駄目だよ、大和君ばかり辛い思いするなんて、私なんていなくなっちゃえばいいのに」
珍しく弱音を吐く彼女に、「桜がいなくなったら、俺は誰と幸せになるんだ?桜と一緒にいるって約束したのに、お前がそんな事言ったら、オレはどうしたらいいんだよ?」
自分の気持ちを伝える私に、桜はこう答えた。
「だって……………