「こいつならあれを破壊出来る」
そういう気持ちが込み上げて来た。
「現れろ、漆黒の竜王、召喚、ブラックドラゴン!」
巨大な魔法陣が形勢され、中から黒い炎に包まれた、漆黒の竜が現れた。
『パンプキンクイーンカ、前回ヨリハ楽シメソウダナ』
楽しげに言うとパンプキンクイーンが伸ばして来た触手を腕一降りで蒸発させてしまう。
そして怯んだパンプキンクイーンに飛び掛かる。
パンプキンクイーンは殻で身を包み、防御体制に入る。
しかし、ブラックドラゴンは臆すことなくその殻の上から殴り始める。
同じ場所を集中的に叩きつけ、次々に殻を破壊して行く。
『マリア、俺ニ魔力ヲカセ!』
私はカードホルダーに手を置く、するとかなりの量の魔力を奪われた気がした。
『ハハハハハ、コレダケアレバ充分ダ!』
私とブラックドラゴンの声が重なる。
『「受けよ、黒き炎、ダークバースト!」』
ブラックドラゴンの口からとてつもない勢いで火球が放たれる。
「グギャアアアア」
パンプキンクイーンは断末魔の叫びを発しながら溶けて行った。
『フン、母親ト同ジデ、ナカナカ強力ナ魔力ヲ持ッテイルナ、小娘、』
ブラックドラゴンは不敵な笑みを浮かべながら消えて行く。
私はその場に倒れこんだ。
「ハハ、最初の任務終了〜!やった〜!」
力無くガッツポーズを取る。
ふらふらになりながらギルドに帰ると、突然受け付けの女性が謝って来た。
「ごめんなさい、」
「な、なんですか?いきなり!」
「貴女がさっき行ったクエストが、まだ貴女がやってはいけないクエストだったんです、」
「えぇ〜〜!」
「依頼主が金をケチってパンプキンクイーンの存在を知らせていなかったのです。すぐに金額を増やしましたけどね、」
「そう言うのは倒す前に言って下さいよ〜〜〜〜〜〜〜」
「真に申し訳ございません。しかし今回はAランクのクエストだったので、8000Gではなく、40000Gが払われます。」
「よ、40000G!?」
突然の高額報酬に私はびっくりしていた。
40000Gと言えばのんびり仕事をしないで一ヶ月間、遊んで暮らせる金額だ。
私はひょんなことからとんでもない金額を手に入れたのだった。
「よし、これでカードが買える♪」
私はカードショップに走って行った。