ある国のある街のある家に住む他の人間と比べても何も特色のない一人の人間がいた。
ただその人間は人を信頼せず、信用もしようとしない馬鹿で阿呆でどうしようもないほとクズな自己中心的な人間でありながら……誰よりも相手を思いやることの出来る人間だった。
クーラーの効いた部屋で昨日までの全ての事ふっ切ったと自分自身思っている。
今までにないくらい辛い思いをした。
それと同時に大好きな人をこれ以上ないくらいに傷付けてしまったのだ。
こんな終わりかたするなんて本当にこれっぽっちも想像してなくて、ずっとずっと友達でいれるって勝手に感じていて……それでいていつの間にか好きになっていたんだ。
…二人が出会ったのは始まりの季節。春。