パパが入院して一週間が過ぎた頃、内科の方から電話がきた。
それは、市立病院への移動でした。
その時、優衣はまだ病魔がこくこくとパパに襲いかかってるなんて知らなかった。
パパは6人部屋の一番右側、窓際のベッドだった。
風が気持ち良いね〜
ってパパと会話した。
でも、パパの様子がおかしい…
短気じゃないのに、少し言い間違えたりすると怒るようになっていた。
優衣は、それに耐えられなくて 病院から足を遠ざけた。
¨みんなが、病院行かんと駄目でしょ¨
なんて言ってくる。
でも、優衣は行かなかった。
一ヶ月が過ぎた頃、病院に行った。
でも、声が出る兄ちゃんじゃない。
筋肉がいっぱいついてる兄ちゃんじゃない。
涙がいっぱい出た。
なんでこんななってるの?
治療中だから?
ママに聞いたら、
「ご飯食べてなくて、手術が出来ないから待つだけだって…」
待つだけって?
死ぬのを?死ぬのを待つの?
兄ちゃん…
ごめんね。
やっぱり、自分の体が言うこと
効かないと苛々するよね
ずっと兄ちゃんは怒ってる。
ごめんね、兄ちゃん