「そういえば、あんた達、一昨日雨が降ってたらしいけど、風邪とかはひかなかった?」
ライル達三人が城から出て行った後、ミリス、エミリア、リリー、ルイス、ロイの五人は、ロイ達の部屋に集まって、今後の事などについて話し合っていた。
「うん。ロバートさんに助けて貰ったからね。でも、あのまま森の中で眠ってたら、間違いなく風邪ひいてただろうけど」
「そうよねえ。まあ、私らは雨が降ってるのなんて知らないまま、助けられたんだけどね」
「そうなんですか?」
リリーは怪訝そうな表情で、ミリスに尋ねた。
「ええ。気がついたら、砦のベッドの中だったわ」
「じゃあ何で一昨日が雨だって事、知ってたんですか?」
「…え!?」
ミリスは目を大きく見開いて、驚きの表情を浮かべた。
「そりゃお前、四人もいたら誰か一人は途中で目が醒めるだろう。それで知ってたんじゃないのか?」
ルイスは不思議そうな表情で、リリーに言った。
「…それって、おかしくないか?途中で目が醒めてたら、四人の中の誰かを起こして、とりあえず家族を回復させて、町の人達を…」ロイはそう言いかけて、青ざめた顔になると、ミリスとエミリアの方を見た。
その唇が、わずかに震えている。