新開夏子は独身だった。 歳は50歳半ばほどだったが年齢を聞かれても決して教えなかった。
夏子自身歳をとる事に不安を抱いていた。
プライベートの事について他人と話したくないからなるべく人とのかかわり合いをさけた。
夏子はお惣菜をつくる工場に勤務していた。孤独な分は毎日仕事に費やしてきた。だから職場では重要な役割をはたしてる。
職場では口うるさくてお局とよばれていた。
職場では対人関係のトラブルはおこさないが皆が自分の事を嫌ってると言うことが夏子には自覚していたのである。
口うるさくていつも眉間にシワがよってる…そんな自覚悟はない。
『このまま独身だったらどうしよう。』 と毎日が不安と孤独の生活だった。
男などに頼って何になるんだ…私はひとりでやっていけるんだ…と思ってた。 男に食い付く女はバカだ。
少々男嫌いなところもある…夏子は昔から男には避けていた。
しつこいセールスを追い出した記憶がある。