「へへん!そんな奴、エルフのおねーさんにかかれば・・・」
「あ、あのぉ〜〜」
「?なぁにお姉さん、」
「私、虫が苦手なんですけど・・・」
「虫が苦手・・・てえぇぇぇぇ〜〜!」
「ごめんなさい、昔、芋虫の大群に襲われてから虫はだめなんです〜」
「そ、そんな〜」
「まったく、この可愛さが解らないなんて、とんだ性格ブスね!やっておしまい!ヘラクレス!」
巨大な角がエルフを襲う。
「きゃああぁ!」
「エルフさん!」
「このままではマリアさんまで死んでしまう、こうなったら。」
「マリアさん、」
「な、なに?」
「私のホルダーにブラックドラゴンのカードを!」
『ククク、ナルホド、ソウ来タカ、』
「え?どういうこと?」
「いいから早く!」
私は言われるままにブラックドラゴンのカードをエルフに重ねる。
するとエルフの体が黒い炎で包まれる。
「なんなのよこれ?」
『ククク、俺ハ闇ノ中心的ナ存在ダカラナ、俺ノ力ヲ帯ビタモノハ闇ノクリーチャーニナルノサ』
「ダークエルフ、見参」
それはいつものエルフとは違った。
金色の美しい髪は黒くなり、
透き通った青い瞳は赤く染まり、
両手には鍵爪がついている。
「ふん、姿がかわっただけじゃない、やっておしまいヘラクレスバスター!」
ヘラクレスバスターが突進してくる、
しかし彼女は片手でその突進を止める。
「気を付けろ、今の私は手加減と言う言葉を知らない。」
彼女は両手の鍵爪をヘラクレスに突き立てる。
そこからヘラクレスの中身をえぐり出す。
「あぁ〜私のヘラクレスバスターが、は!」
「死ね、」
ダークエルフは男の足を切り裂く。
「ぎゃあああ」
「とどめだ!」
「戻って、エルフさん!」
私はホルダーからブラックドラゴンを抜き取る。
彼女は元に戻り、気を失う。
「よかった、間に合った〜、教えて、あなた達は何なの!」
「私は黒の教壇の幹部、それしか言えないわ、」
「正直に答えなさい!」
私が掴みかかろうとした時、「マジックカードジャンプ!」
カードを使った男は姿を消す。
「あ、ちょっと待ちなさいよ!」
男の去った後にはビートルのカードとペンダントが落ちていた。
「黒の教壇、」
「必ず追い詰めてやる」
しかし私はまた手掛かりを失ったのだった。