それは、どこにも書いてなく誰も知らなかった
たぶん、老人なら知っていたはずだが…もう亡くなってしまったからなぁと父は言った
この村は百人もいないから、無理もないか…それにしても誰も知らないなんて
少年は不思議に思った
そして、もう立ち入り禁止はやめにしようと村人に呼び掛けた
だが誰1人賛成する者はいなかった
わけもわからないまま、立ち入り禁止は続いたが…
少年は、黙って時々砂丘へ入って行っていた
そしてその日、とうとうあることに気付いた
白い砂丘は、どこまでも続いていたが青い花しか植わっていない…変だ
白い砂丘の脇には海があった
海から流れ付いたのかなあ〜…少年は思った
そういえば、この村は島だよな〜、と考えながら砂丘を歩いていると見たことのない木の看板を見つけた
そこには、この砂丘を守りたいとだけ書かれてあった
見たことある字だった
写真にとり家に帰りそれを父に見せた
父は砂丘に行ったことを聞いてびっくりしていたがすぐ写真を見てくれた
この字は…あの老人のものだな
やっぱりそうだと少年も思った