だとしたら老人はあの花を知っていただろうに、なぜ何も言わなかったのだろう
図鑑の名もなき花を見ると、下に花言葉が書いてあった
真実はあなたの心の中
どういう意味かわからなかったが、少年は老人と一度気になる話をしたことを思い出した
失う怖さから、わしは何も言えない時があるんじゃ、あまりに色々なことを知り過ぎるとどこまで伝えるべきかわからない時があると
君は真実を知りたいと思うか?
その真実が幸福なものだと知ったとき、失うかもしれないと思わないかい?
よくわかりにくいけど、幸せな真実なら知りたいなあと言った
君にこれをあげよう、老人はオルゴールを少年に渡した
これは、二十歳を過ぎたら開けるんじゃと老人は言った
―――――――\r
そういえば、僕はもう21歳だ…すっかり忘れていたと少年は思った
オルゴール…あっあった!開けて見ると、きれいな音色
小さな紙が入っていた
砂丘を守りたい一心で立ち入り禁止にしてしまったが、これでよかったかと思い悩むことがある
この先は君に任せたい
と書かれてあった
少年は、少し考えてから白い砂丘の立ち入り禁止を外しに行った
そして、どうしたらあのきれいな砂丘を守れるかを家族で話し合った
答えは見つからなかったが村人には、老人が立ち入り禁止にしていただけだと理由を話し開放された
行った村人は素晴らしい綺麗だと感動していた
数日して少年は砂丘へ行ってみたが、相変わらずきれいな砂丘であった
今のところ、少年はこれでよかったと思っている
この先はわからないけど
名もなき花が、時々教えてくれるのではないか?
真実はあなたの心の中
僕も心掛けよう、そう少年は思った
――――END――――