「それでさぁ〜…」
なんか、急な展開で困るけど…
佐藤と一緒に帰ってます。
話すと長くなるんだけど家が以外と遠くて、佐藤と同じ方向だから送ってけって店長に言われたんだって、佐藤が。あり?あんま長くなかったか…(笑)
「白井〜、人の話は聞けよな!!」
「あぁ、そういえば隣でブツブツ喋ってたっけ?」
はっ!!今声に出してた?そ〜と佐藤を見る。
「…っ、ヤバイ怒ってるぅ〜?」
「当たり前だぁ〜!!」
「きゃあ、ごめんなさい(>_<)」
走る。
佐藤が追い掛けてくる。
「…はぁ、はぁ。速いな、おまえ」
「はぁ、はぁ、…佐藤も…」
「ね、1つ聞いていい?」
私は聞きたい事があったのよね…
「ふぅ、何?」
佐藤が近くにあった木に寄りかかって座りながら言う。
「愛さんの事いつから好きなの?」
これだけ聞くのも内心ドキドキだ
「…いつ頃だったかな、よく覚えてないけどあの店で働くようになってから自然と目で追うようになってたな。」
「…理屈じゃないよね、好きだと思ったら理由なんていらないよね」
私は佐藤と自分を重ねていた…
「何?おまえも好きなヤツいんの?」
「いるよ…」
てか、あんただし…
そういえば、前に付き合ってた人。奥さんとは好きで結婚したわけだし…
奥さんは今もこんな気持ちで旦那の事思ってるかもしれなくて…?
ドクン!!
胸が苦しい…
私、何した?いくら知らないとは言え、そんな大切な人を…
「どうした?白井?」
「わ、私。人の事、本当に好きになった事なくて…今、好きな人出来てね、分かった事とかいっぱいある…の
こ、後悔ってゆうか、人傷つけてばっかりで…」
「……」
「…俺、白井の事何にもわからないし、何て言ったらいいかわからないけど、そうやって、分かったのなら繰り返さなければいい。そうやって自分を責める白井は凄いよ。」
私は佐藤の優しい言葉に涙が出てきた。
「凄くない、わ、私不倫とか……」
こんな事言ったら嫌われるって思ったけどとまらなかった…。
「そ、それに…」
グィ。
「えっ?」
佐藤が私の震える肩を引き寄せて抱き締める
えぇ〜??どうしよう、緊張で足がガクガクする。
「大丈夫だから…
二度とするな…。」
「うん…」
分かってる、今だけ、佐藤の優しさなんだ…
もう少ししたら、この場所は愛さんのものになるかもしれない…
だから、もう少しだけ佐藤を感じていたい。少しだけでも…