最低の気持ち?

龍王  2006-06-10投稿
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『…私も…一緒に……一人にしないで…椿…』


その言葉は重く椿の耳に響き
心に残った…





『…蓮華…あなたが決めて…私は…それに従いますから……答えが出たら…連絡下さい』

菫はそう言い立ち去った。
それから幾日が経った。まだ答えは出ず、今だ迷路の中…

蓮華が、腐っている中、電話が掛ってきた。蓮華が受話器をとる。

「えっ…ああ…何?」

蓮華が言葉を数回交し、電話を切ると、家から出て行った。

家から少し遠く離れた公園に蓮華は訪れる。

「こんにちは…」
「ああ…」

公園に来た蓮華の目の前には椿の姿が会った。
椿は軽装にガウンを羽織っていた。元気も無く顔色も悪かった。

「すみません、ちょっと体調を悪くして…病院に入院してて…今は自宅療養中です」
「──………病気…にしては顔色が…それに…前と比べて…柔らかくなった」

蓮華は前に会った時、気性の激しかった椿を知っている。
蓮華を殴りつけた時の椿と今の椿は変わり過ぎていた。

「──……あの時…あなたを殴った事は後悔していません。だから謝りませんから…」
「ああ…」
「今日は鞠花の事で…失礼だと思ったんですが…お願いが…」
「…」

椿の下向な物言いに蓮華は内心驚いている。
変わったと言っても、嫌いな奴にこんな態度をとるなんて…

「…何か…あったのか?」
「──……鞠花は…あなたを愛しています。昔から…ずっと…」
「えっ…」

「……俺は……鞠花の傷を知っています。俺と似た傷です。…傷を持つ者同士が一緒にいれば落ち着きます。お互いの傷を…分かち合えるから…」
「傷…?」

「……俺は鞠花を愛していますが…〈鞠花〉は俺に愛はありません。〈友愛〉と言う傷の依存です」
「…依存…?」

「俺は…もうすぐ死にます。…鞠花の〈傷〉を分かって、分かち合っていた俺が死んだら…鞠花は自分の〈傷〉を自分だけで抱え、生きないといけない。鞠花には…それが堪えられない…」
「……」

「あなたが…鞠花の支えに…なってあげて下さい。あなたが鞠花の〈傷〉を理解出来なくても…支えには、なれる。あなたは鞠花を…愛してるんだろ…?」
「……俺は…」



俺は
どうすればいい…

今だ
暗闇から光は見えない…

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