「…じゃあシーラはどうしたい?」
ランスォールが優しく言った。
「わたしは…」
少しの沈黙。
「私は、父さんの計画を止めたい。
そして、父さんと二人で元の身体に戻るわ。」
毅然とした態度でシーラはそう言った。
頬にはまだ涙のあとが残っているが今の彼女は先程自分の声は届かないと泣いていた少女ではない。
「私の声は、私の言葉はもう父さんの心には届かないかも知れない。
それでも、何度でも私は叫ぶよ。」
フッとランスォールが笑う。
「なら、その方法を探そう。俺はシーラと一緒に行くからさ。」
「ランス…」
「こんな美人を、ランスに独り占めにされちゃたまんないな。」
「ラウフさん、そういう事は冗談でも言うべきではないと思います。
シーラさん、私はやはり、貴女を尊敬します。貴女は強い人です。」
「ラウフ…雪…
うん、アリガト。」
優しく微笑むシーラは綺麗だった。