私の初めてを簡単に奪って行った男達―＼r
痛かった､触られるだけで､嫌悪感が全身を襲う･･･｡
私の身体の中で､男性は動かなくなった｡
運転席の男性が､口を開いた｡
「中川､お前､ｼｰﾄ汚すなよ?この車､借りもんなんだぜ｡」
私の中に居た男性は､あっけらかんと話し始めた｡
「解ってるよ｡あっ･･･､血が出ちゃってるわ｡この子､初めてだったんだな･･･｡通りで､すんなり行かない筈だわ｡」
運転席の男性は続けた｡
「おいおい､勘弁してくれよ〜｡何て言って､車返すんだよ?でもさ･･･､有る意味､当たりってやつだよ､そりゃ｡今時､初めての女に当たるのって奇跡じゃね?」
私の中に居た男性は､私の両手首に巻かれた粘着ﾃｰﾌﾟを外しながら､言葉を返した｡
「ほんとだよな?俺さ､今まで初めてって女に逢った事､ねぇんだよな｡あっちゃんだっけ?彼氏より先に貰っちゃって悪かったね〜｡」
もう･･･｡別の世界に居る様に感じた｡さっきまで､普通に生活して､淳とも楽しく過ごして居たのに―＼r
一瞬で､私は汚れてしまった―＼r
淳の顔をまともに見れる自信は無かった｡
胸が張り裂けそうだった｡身体だけじゃ無く､心も尋常じゃ無い位に痛かった｡
車は､あの薄暗い神社に戻って､静かに停まった｡後部座席の引き戸が開いて､棄てられるかの様に､私は､地面に叩き落とされた｡通学鞄も､投げ捨てられた｡
「誰にも言うなよ･･･｡」
男達は､一言残して､車ごと何も無かった様に去って行った｡
涙が止まらなかった―＼r
淳の笑顔が､また浮かぶ―目を瞑っても､涙で霞んでも･･･｡脳裏に､こびり付いて離れ無い･･･｡
「あっちゃん､私･･･｡汚れちゃったよ｡もう､さっきまでの私じゃ無いの･･･｡ｺﾞﾒﾝね･･･｡」
心の中で､その言葉が輪廻していた―＼r
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