考えて見れば…
かなり恥ずかしいよね…
さっき佐藤に抱き締められた事を思いだしてた…
あの後…二人はお互いあまり喋らず帰ってきた。
照れとかそういうのもあったけど…
佐藤は愛さんの事も気にしてたのかもしれない。
「おはよ☆佐藤!!」
私は何事もなかったかのように挨拶した。
「あ、おう、おはよ」
ちょっとどもってる…「あのね、講義終わってからでいいんだけど話しない?」
「うん、分かった。」
私は華菜の隣の定位置に座る。
一部始終を見ていた華菜が「なんか、あったの?」
と興味深々に聞く…
「ん〜、何もないよ〜。
ただ、ちょっと、人生相談に乗ってもらっただけ☆」
「怪しい〜」
講義が終わり、華菜の視線を受けながら私達は外に出た。
大学の外の裏には大きな木がたっていて…
お昼休みなどは賑やかな場所になる。
ただ、ちょっとした休み時間には誰もいないので、サボりには絶好の穴場になる。
私達はその大きな木の前に腰掛けた
「昨日、ありがとう。」
「あ、ううん。俺こそごめん。あんな事して」
「気にしてないよ、私よりも佐藤が気にしてるみたい…
愛さんに罪悪感?付き合ってないんでしょ?」
「う…ん、でも、自分の気持ち、信じて貰える行動、とらなきゃ駄目なのになぁ。はたから見たら抱き合ってるだけじゃん。理由はどうあれ…」
「そうだ…ね。でも、反省したならこれからしなければいいんだよ。」
「え?」
「昨日のうけうりで〜す☆」
私は佐藤の癖を真似て佐藤の頭をポンっと叩き、髪をぐしゃぐしゃっとした。
「あー。せっかくセットしてきたのに…」
「へ?それで」
「おまえなぁ〜」
佐藤が笑った。
「私、昨日の事気にしてないから…元気出たし、だからそれだけ伝えたかったの。
行こっか?」
「うん、あとさ…
好きな人いるってたじゃん?それは大丈夫?昨日の。付き合ってたりとか?」
「いや、片想いだから」
「え、そうなの?
でも、実は向こうも好きなのかもよ?自分の気持ち伝えたらいいじゃん。」
…やめて、そういう事言わないで。
「あ、ごめん。俺、無神経すぎた…
何も知らないのに…」
私はうつ向きながら、「佐藤が告白したら私もするよ」
意地悪言った。
「するよ。」
「え?」
うそ…
「そろそろかなって思ってたし…」
「もう、気持ち溢れそうだから…
よし、戻るか。」
佐藤の背中…私はシャツを掴んだ。
「白井?」
溢れ出す…気持ち