帰りがけ自販機で飲み物を買おうと思い、財布を取り出そうとポケットに手をやると何かに触れた。取り出してみると、それは……
透「鍵だ……」(どうして、こんなものが?自転車のではないし、家の鍵でもないし…体育の後で間違って入れたのかな……)
注意深く見ると名前らしきものが彫ってあった。
透(ディ……ディメン……ディメンション・オープン? なんだこれ?)すると、一陣の風が吹いた。
ツナガッタ………
透「えっ!? 何!?誰?」
さらに突然、鍵が光り輝き始めた。
透「な、何だよこれ!? う、うわ!」
透は鍵から手を放そうとしたが、見えない力か何かでくっついていて放れない。次第に鍵の輝きが増していく。辺り一面に一際強い光を放つと同時に透の意識は途切れた………
???「君、起きなさい。こんなとこで寝てはダメよ」
透「う……ん、ううん………」
???「どうやら強いショックを受けたみたいね。……仕方ないわね、済まないけれどこれも貴方のためよ」
バシャッ!!
透「うわっ!?冷たい!な、何が起きた!?」
???「まだ何も起きてないわ、ただ貴方の顔に水をかけただけよ」
透「えっ」透が見上げるとそこには美しい女の子がいた。同い年ぐらいだろうか、その女の子は西洋人的で整った顔立ちに、騎士と思われる格好をして燃えるような紅い髪をしていた。
透「失礼ですが…貴女は?」
???「全くもって失礼な奴ね。人に名を尋ねる前に自分が名乗るのが礼儀でしょう。まあ、いいわ。見たところこの国の人ではないようだし、応えてあげる。私の名は……ベンドラゴン、アーサー・ベンドラゴンよ。でもこの名は嫌いだからアーシェって呼びなさい」
透「………ごめん、聞き間違いかな、今君は……アーサーって言った? いや、まさかあのアーサー王?」
アーシェ「貴方がどのアーサーを言ってるのか分からないけれど、恐らくそのアーサー王よ」
透「………………………え、えええ〜〜〜〜〜!?」
そう、これが僕の、いや僕達の不思議な旅の始まりだった。