金色の髪が風に揺れる。秋の柔らかな日差しを反射する、その美しさに思わず見とれてしまった。
『何々?祐、誰?』
『先輩…。』
龍の表情がはしゃいだ、可愛い印象のものから、驚きの表情へと変わる。
『ご…ごめんなさいっ!』
慌て謝る、龍のコロコロ変わる表情がなんだかおかしくて、みんなと顔を見合わせて笑ってしまった。
『龍だっけ?いいキャラしてるね。あたしは沙季。で、あっちが深奈。よろしくね。』
そう言って差し出された手を、龍はおずおずと掴んだ。髪型やその色、服装などの見た目は間違いなく不良少年としか言いようがない彼だが、案外中身は可愛らしい。ものすごく。
『あれ、愛は?今日来てないの?』
そういえばと、いつもなら真っ先に飛びついてくる姿がなく、疑問に思い祐にたずねると彼は指先を公園の隅へと向けた。たどった先にはショートカットの少女が地面にしゃがみこんで、なにやらどす黒い空気を垂れ流しにしていた。
『あーいっ!』
『きゃあ…っあ!沙季ちゃんに深奈ちゃんまで…!』
二人同時に愛に飛びつくと、涙混じりの整った可愛らしい笑顔で振り返る。
とても可愛い、私の…いや、私たちの妹のような存在が彼女だった。