レイとの出会い。10代のえり。8

ユキ  2006-06-10投稿
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『…何それ。風邪薬?』
あたしは険しい顔で聞く。
『はっ?ドラッグだよ。』
『ドラッグ?何それマジでわかんないんだけど。』
『だーかーらー…ドラッグ知らないとかマジありえねぇんだけど…』
あすかは呆れ返った顔で言う。
知ってるはずがない。
そんな事教えてくれる人なんか周りにはいなかった。
『幸せになれる薬だよ。悩みなんかマジふっとんでくょ!五千円でいいょ!』
今のあたしにそんなものはいらなかった。
バイクに乗れば悩みなんかふっとんでくし
今のあたしには五千円でも貴重だった。
『いらないょー。そんな危なっかしそうなの…。』
『ふーん。まっ今すぐじゃなくていいよ。いつか絶対ほしくなるから。』
そう言い残してあすかは背を向け歩いていった。
ドラッグ?
初めて聞いたし…。

家に着くとレイはもう帰っていた。
『おかえり。』
何年ぶりかに聞いた言葉。
『ただいま…。』
何年ぶりかに言った言葉。
あたしはこんなに些細な事が幸せでしょうがない。
しかしなぜレイはあたしに声をかけたか。
なぜ一緒に住もうなどと言ってきたのか。
あたしは重い口を開いた。
しかしレイは…
『そのうちわかるさ。』
としか言わなかった。
それもレイの優しさだと信じた。
あたしは話題を変える。
『レイって何の工場で働いてるの??』
『んっ?コンドーム。』
『えっ!!!!!!?』
とあたし。
『嘘だよ(爆)』
レイがこんな冗談を言う人だとは思ってもみなかった(笑)
実際のところはバイクの部品を作るところらしい。
レイらしいゃ…。
あたしは改めてレイの顔を見る。
やっぱりきれいな顔してるゃ…。
彼氏なんているにきまってるよね。
レイをほっとく人なんか絶対いない。
彼氏がいるか答えなかったのは
いる
と言うとあたしの居場所がなくなると思ったんだろう。
そうあたしは解釈した。

続。

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