キミに出逢ったその日から ?

神南 綺良  2008-10-03投稿
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『あのねっ…深奈ちゃん聞いて…。』

ぐしぐしと泣きながら可愛い顔でそんなことを言われては、同性であっても惚れてしまいそうだ。

『ん、聞くからさ…どうしたの?』

こういった悩み事を聞くのは私の役目だ。沙季は口より先に手が出るタイプで、慎重なものを必要とすることには向かない。よって、どうしてもこういったことは私が引き受ける形になる。
嫌ではないから構わないのだが、責任重大だ。

『うん…。蒼汰がね、最近会ってくれないの…。お互い受験で忙しいのはわかるけど、少しくらい会いたいよ…。』

またうるうると瞳に涙をためた愛をみて、沙季の表情がみるみる変わっていく。

『沙季…?』

『あのさ、蒼汰今どこにいる?』

にこやかな笑顔が怖かった。こうなっては誰も沙季に逆らえない。

『ちょっと説教しに行ってきますね。愛、行こ?』

沙季の後ろをちょっとびびりつつ、愛がとことことついていく。
残された3人はあっという間の出来事に呆然とするしかなかった。
まぁ、今回は行動するのが一番だろうから沙季に任せるが、多少の不安は拭い去れない。

とりあえず、蒼汰の無事を祈ろう。

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