透「……………」透は今の状況を考えた。
アーシェ「どうしたの?」
思考して5秒、結論−
透「なるほど、映画の撮影かコスプレのなんかなんだね。いやー水をかけられ、そのうえ有り得ない名前を聞いて驚いたけど、そうだよね、有り得ないよね。アハハハハ。ねえ、ここは何処かな? というか、どうして僕はこんな所にいるの?」
アーシェ「映画?コスプレ?君の言ってることはよく分からないが、ここはキャメロット城周辺の森だ。君がどうしてここにいるのかは、私にも分からないし、こっちが聞きたいくらいよ。ねえ、何が起きたの?」
透「……………冗談だよね?」透は聞き返した。普通に考えれば信じられないが、聞き返してしまう程に透は焦っていた。なぜなら、周囲の状況がおかしいのだ。周りは見たこともない木々に囲まれ、見たこともない動物がいるのだ。まして、このアーサーと名乗る女の子が嘘をついているようには見えない。
アーシェ「?」女の子(アーサー)が首を傾げた。その動きを見ると同時に透は走り出した。
アーシェ「お、おい!? 何処に行く!? 待て!!」アーシェは追い掛けた。
透「う、嘘だろ。何かの間違いだよな………こんなことあるはずないよな……」
決定的だった……先程の女の子が言っていたそれが木々を抜けた丘の上から見下ろせたのだ。
アーシェ「何なんだ、いったい……急に走り出して。………此処は……丘か……ふむ、我がキャメロット城が見渡せるではないか。なんだ、これを見せたかったのか?」
圧倒的だった……その城は大きく美しかった。映画等に出て来る城とは違い、戦いの拠点として扱われる城であり、戦いで受けた傷跡が幾つも残っていた。
透「夢じゃあ……ない……よな……だったら、なんだここは? 何でアーサー王がいるんだ?伝説か創作じゃあないのか!?」
アーシェ「失礼だな、君はホントに。伝説もなにも私はここにる」
透「な、なら!教えてくれアーサー!此処は何処で、なんで君は女で、どうして僕は此処にいるんだ!?」透は興奮してアーシェにつかみ掛かった。 が、手が触れる瞬間−−
フワッ−−− ドサッ!
透は投げ飛ばされた。
透「な、何するんだ!?」
アーシェ「落ち着け、そしてゆっくりと事情を話せ」
透「!! ご、ごめん…」