毎日を一生懸命に生きようとする人がいる
どうして一生懸命に生きようとしないのか?
ある時その人に聞かれ
次のように応じた
一生に懸けるほどの価値ある命はなく
一生に命を懸けては生きる意味がない
毎日を精一杯生きることは
わたしにすれば無意味で
もがいているようにしか思えないから
つまりは愚問だ、と
その人はわたしの答えが気に入らなかったとみえて 顔を背けた
己の信ずることを人に伝える
決して悪いことではないのだろうが
こうなると自信をなくす
自分の考えることは全て悪いことなのではないか?
それから過去を振り返り思う
あぁ わたしは罪多き生き物
浄化せよ 数多くの罪を
わたしにしてみれば
『懸命は要らぬ行為』なのだろうか――?