涙が頬をつたい落ちる。 目が覚め、
今はまだ暗いだけの夜空がそこに広がっていた。
自分が夢を見ていたのだと分かった。
パチパチ
と、火が燃える音に気付く。
目元を拭い、
体を起こす。
クルーだと思ったが、火をくべる少年の姿がそこにあった。
少年「あれ、起こしちゃた?」
ロラン「隣いいか?」
少年「もちろん。」
そう言って笑う。
気のせいか、少しだけ元気がないように見えた。
ロラン「眠れないのか?」
少年「色々あったし、なんかね。」
確かに色々あり過ぎた。 ロラン「どうしてあそこに?…と…。」
少年「…ソアって言うんだ。」
ロラン「ソアか…私は」 ソア「ロランさん。でしょ。」
大丈夫。
そんな風に言われた気がした。
ロラン「ああ。」
ソア「アセンズに戻るんだよねやっぱり。」
ロラン「そうなるな。」 ソア「森の近道知ってるんだ。だから…その…一緒に行っちゃダメかな?」
どこか必死な、少しだけ不安そうに言った。
一緒に行けば危険だろう、だが今の世に安全な場所なんてあるだろうか。
側にいるなら
手の届く場所にいるなら…