翌日―\r
やっとの思いで、学校に向かった。普通にしていれば、誰も何も気が付かない筈なのに、普通に出来そうにも無かった。
校門の前で足がすくむ―\r
自分自身を奮い立たせて、前へと、一歩一歩、歩く・・・。
教室の前まで、辿り着く。教室の中は、ザワザワと騒がしかった。
勇気を振り絞って、中に入り、自分の席に着いた。
「香里、おはよう!!聞いたよ?淳と日帰り旅行に行くんだって〜?」
親友の茉莉子は、隣の席から、いつものテンションで私に聞いて来た。
「う、うん・・・。」
言葉を返すのが、やっとだった。
「何か、元気無くない?淳と何か有った?」
「ううん、別に何にも・・・。」
「顔色悪いよ?風邪?あっ・・・、もしかして・・・、妊娠でもしたんじゃ無いの?」
茉莉子は、きっと冗談のつもりだった。
「あっちゃんとは、何も・・・、無いよ!!」
「そんなに怒んないでよ〜。冗談なんだからさぁ・・・。ね?」
茉莉子は、気不味くなったのか、私の側から去って行った。
辛かった―\r
学校なんて来るんじゃ無かった。誰にも昨日の事を話せそうに無かった。
友達にも・・・、淳にも。
ふと廊下を見ると、淳が歩いていた―\r
こっちに来ないで・・・。
そう思った瞬間―\r
教室に、淳が入って来た。
私の席の前に立って、淳は言った。
「香里!!おはよう!昨日さぁ、バイトの面接に行って来たんだけど・・・。」
「・・・、あっちゃん、私・・・。」
「顔色、悪りぃなぁ・・・。風邪か?」
淳の顔を見れない。話そうとすると、全身の震えが止まらない―\r
「うん・・・、何だか、朝から調子悪くって。ゴメンね、そっとしておいて。」
淳の顔が、少し曇って見えた。
「そっか・・・。じゃあ、しょうがないな、良い報告が有ったのにさ。」
「何・・・?」
「採用してくれんだって!明日からバイト来てくれだって・・・。」
「そ、そう・・・、よ、良かったね。」
「そんなに、具合悪いんなら、保健室にでも行くか?連れてってやるよ。」
「・・・、良い。」
「でもさぁ・・・。」
「放っておいてよ!!・・・、ゴメン・・・。大丈夫だから。」
淳も、堪らずに私の前から去って行った。
最悪の展開だった―\r
どうして、こうなるんだろう?何も考えたく無いのに、昨日の事が、頭を余切る。
「あっちゃん、ゴメンね。」
心の中で、また叫んでいた。