* * * * * *
その日は朝から雪だった――
3月に入ってからも、雪は毎日の様に降り続いていた。
どうやら春が来るのは、まだまだ先になりそう。
あたし達の目の前に、次々と舞い降りるこの雪達は、
まるで――
今日のこの日を祝福してくれるかの様に、
ゆっくりと――
優しく降り注ぐ――
『サトル君。ミズホさん。卒業おめでとうございます!!』
式が終わって、外へ出たあたし達。
あたしは――
サトル君とミズホさんに、心からおめでとうって言えた。
『ありがとう奈央ちゃん。俺らが卒業しても、4人が離れ離れになる訳じゃないし。
また4人で会って遊んだりしようぜ!!』
こう答えてくれたサトル君の隣には、
勿論ミズホさんがいる。
『はいっっ!!サトル君も、高校行っても、ずぅ〜〜っとミズホさんと仲良くね☆』
あはっっ。
言っちゃった♪
『やだ‥‥奈央ちゃんたら!!
何時の間に、そんなコトが言える様になったの?!』
ちょっと照れてるミズホさんが可愛かった。
『でもよぉ、今日は聖人、絶対休みだと思ってたけど、まさか本当に休みやがるとは思わなかった。』
サトル君が、伸ばしかけの髪を触りながら言った。
今年に入ってから、髪を伸ばし始めたサトル君。
トレードマークの坊主頭からも卒業するのかな。