「じゃあ!行ってきます!」
サクヤは、そう言うと家を出て行きました。
「ああ。いってらっしゃい」
それを見送っていたのはクリスだった。
結局、あの後アリエスは、サクヤの記憶を書き換えたらしい。クリスは、従兄弟と思っている。
昨日起きた事は、すべてサクヤの頭の中に封印されている。サクヤは、昨日は何も起きていない事になっている。
「さすがに疲れるな・・・」
それもそのはずだ。クリスは、サクヤといきなり従兄弟になったからだ。ちなみにそれを考えたのは、アリエスである。
「まぁいい・・約束してしまったからな」
クリスは、昨日の事を思い出していた。
昨日のサクヤ宅 リビング
「・・・覚悟は、出来ている」
そうクリスは、言うとアリエスの瞳を真紅の瞳がまっすぐ見ていた。
『わかった。一応、信用してあげる』
アリエスは、再びクリスを睨み付けた。
『でも、もしあなたがサクヤを裏切ったその時は・・・・』
「わかっている。その時は、そうしてもらって構わない」
そう聞いてとアリエスは、心の中で疑問に思っていた事をクリスに聞く事にした。
『ねぇ、あなたは、なんでサクヤを助けようとするの?アルファであるこの子を・・・』
確かに、アルファを憎んでいるクリスがサクヤだけ殺さない事をアリエスは、疑問に思っていたからだ。
「似ているんだよ。俺の妹にな」
『・・・そうなんだ』
アリエスは、悪い事を聞いてしまったと思ったがクリスは、小さな声でこう言った。
「まぁ、それだけじゅあないだがな」
『え?』
「何でもない。とりあえずこの子は、命をかえても守るよ」
そう言ってクリスは、黙ってアリエスを見た。
『わかった。じゅあ今からサクヤの記憶を封印するから。』
クリスは、頷いて答えた。
後は、アリエスの提案の通り俺はサクヤの従兄弟ということになった。
「はぁ・・いつまで続くのかな、この状況は・・・」
クリスは、そう呟くとリビングに向かった。
リビングに入り、クリスがテーブルに目をやるとそこには、綺麗な袋が目に入った。
「これって・・もしかして・・・」
クリスは、中身を見てみた。そこには、黄色い箱が入っていた。
「弁当か・・・天然にも程があるぞ」
クリスは、それを持って家を出た。
「・・・さて、届けに行きますか」
クリスは、学校に向かった