「お前、強いな。」
「それほどでもないわ。」亮介と大和はコートの上で話していた。
「お前、一人なんだろ?翔人から聞いた。」
大和の言葉に亮介はうつむいて話した。
「オレは仲間なんか欲しゅうない。みんな裏切るんや。」亮介の悲しそうな表情に大和は押し黙った。すると、陰から声がした。
「よかったらその話聞かせてくれないか。」
その声と共に翔人が現れる「ええわ。オレは大阪の中学におった。オレはバスケ部を全国一にするために必死やった。あの日まではな・・」
亮介の脳裏に二年前の出来事が浮かぶ。
「母ちゃん大丈夫か?」
「何言っとんのや。私の心配するんやったらバスケしてこい。」中2の亮介は母を助けるためにバスケをしていた。
「オレははっきり言われた。」亮介はさらにうつむく「バスケだけの貧乏人が・・てめぇは母ちゃんのお守りでもしてろ」
亮介は怒って続けた。
「そいつにボロクソ言われてオレは黙ってられんかった。気ぃついたらそいつぶん殴っとった・・」
涙を流す亮介の姿に、大和と翔人は言葉が出ずただ黙るしかなかった。