二度目、伶が‘そう’したのは計画的だった。
荷物整理なんかで、実家となおの所を行き来していた伶は、たまにはなおの所に泊まったりもした。
前の様に普通に過ごせていた。
彼女からメールが来ない限りは‥
一般的には理解されないんだろーけど。伶となおの関係は。
そんな中で伶は、
『あたしにはまだチャンスある?彼女と今別れられないよね』
と、ふざけ半分に聞いたりして。
だけどなおは、
「‥‥。それはムリだね。」
少しの沈黙の後、押し殺す様に言った。
なおの覚悟が伶に伝わってしまった。
二度目は、この瞬間から計画された。
伶は冷静だった。
ここまで来ると涙も出なくなった。
毎日あれほど泣き続け、泣き崩れ、泣きじゃくり、‘泣き’の言葉すべてをしてきた。
計画が始まってからは、逆に伶は笑ってばかりいた。些細な事でもそれほどでもないテレビにも、そして、なおの前でも。
笑っていた‥
誰にも気付かれないようにしたかった。
今度は確実にしたかった。
なおと離れたくないという気持ちが、恐怖心を芽生えさせ、ビルの上からは早々に降りた。
『あれしかない!』
伶はそれに決めた。