リアル人生ゲーム?〜伶盤〜

彌喩  2008-10-05投稿
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練炭は以外とたやすく手に入った。
あとは場所だ。

『どこにしよう‥』

伶には一つの場所が浮かんではいた。
昔、なおと行った事のある湖だった。

『あそこにしよう‥』


向かう前、なおには

〈山に行くのぉ〜〉

とだけメールした。

《はっ?山?何しに?》

なおからのメールには返信しなかった。
‘山’とはその時期、二人にはそこだ!とわかる言葉だった。
古い話しだからなおは忘れてるだろうと伶は思っていた。



完璧だったはずなのに‥
なおは意外にも早く‘山’がわかってしまい、準備に手間取った伶は意識が無くなる瞬間に、なおに見つかってしまった‥

目覚めた時はもう病院だった。あたしは二度目も失敗した。
瞼の腫れ上がったなおが、そこには居た。
その目はとても悲しそうで、そして、もう、あたしの知ってる‘なお’の目ではなかった。


こんな事があってもなおが彼女と別れるような事はなかった。
きっと彼女は何も知らされてない。

だから、新聞、テレビ沙汰になり彼女に自分の最後を知らせたいと伶は考えた。
けど、なおがそうさせなかった。

『三度目は‥』

鉄格子の窓の外を伶はなおの姿を探していた。



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