悪魔の匂い?

七海  2005-11-09投稿
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━━愛してるって言ってほしい。隼人の声で聞きたい…。
高校を辞めて家を出た。一人暮らしをしながらバイトを始めてから、まだ一ヶ月。
隼人と一緒にいたのが、夢の様で。隼人がいないことも夢の様だった…。毎日交した言葉も、何度も触れた指先の感覚も…温かい唇の体温も。全部が、私の中で夢になっていく。
『元気にしてますか?お誕生日おめでとう。今年もあなたにとって幸せな一年であります様に…。あなた宛てに手紙です。母より』━━今日、誕生日なんだ。ありがとう。お母さん。…手紙…隼人…?
『━━誕生日おめでと!今日で17才だな。お前とは高校入ってから知り合ったのに、もう、ず〜っと昔から知ってる気がする!きっと、オレとお前が一緒になるのは運命だと、オレは思ってる!初めてお前のこと見た時は、生意気そうなヤツだなって思った!今も十分生意気だけど…。でも、いつの間にかお前のこと好きになってて、お前が必要だって思ってる!オレが18になって、もし、お前の気持が変わってなかったら…オレと結婚してほしい。オレはお前だけを愛しています!南 隼人より。━━追伸。指輪、大切にしろよ!あと、プロポーズの言葉はちゃんと言う!だから、待ってろ!』
プロポーズの言葉なんてもう、聞けないのはわかってる。でも、隼人の気持ちだけで生きてゆける。隼人の言葉も待つこともできる。愛してるの一言で…。

━━春が来て夏が来て、秋が来て…また冬は必ず来る。隼人の死を思い出して、生きていく力がなくなる時もあるかもしれない。でも、そんな心もきっと、隼人が消してくれる。
風が運んでくる煙草の匂いは、少し甘くて、いつもと変わらない、私を愛してくれる匂い。
         おわり
読んで頂いてありがとうございました。みなさんに感謝致します。これからも宜しくお願いします。小説投稿の場をお借りしてすいません。
         七海

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