もう時間がない。
私は得意の舌打ちをした。 『じゃあ、学校に体調不良で今日は欠席しますって電話するよ!』とキツい口調で言った。
すると長女は急に泣き止み安心したように言った。
『ごめんなさい…』
ごめんなさい?
何に対して謝ったのだろう?
自分は追い詰められて、
助けてほしくて、
いっぱいいっぱいだったのに
それでもママに気を遣ってたんだね。
毎日、いつも、そんな風にママに気を遣わせてたんだね…
ごめんね。
私はあなたに気を遣わせるように、わざとそう仕向けていたのかもしれない。
あなたへ向ける言葉や態度の端々に
嫌味やあきれ、怒りや失望の感情を見せ付け、
私の心の奥底にある、母として決して認めてはいけないメッセージを送り続けていたんだ。
あんたなんかダイッキライ!
決して手はあげなかったけれど、同じくらい深い傷をあなたの心に刻み込んでしまった…
あの時のママにはあなたに対する愛情は…たぶん…ゼロだったと思う。
あなたがどうやって毎日すごしていたかなんて
何一つ覚えてないし、
興味もなかった。
なぜだろう。
なんで愛情はゼロだったんだろう…