地元に戻ることにためらいはある、でもこれがイイ機会かもしれない。
地元に帰る電車の中、近づくにつれ少し緊張してきた。
それと同じ位、久しぶりにみんなと会える喜びも感じていた。
駅に着き、そのまま会場へ向かう。 会場は昔から馴染みの喫茶店で、特に学生の頃は毎日通っていた店だ。
店に入る時、少し緊張したが扉を開けると・・・
『よう、久しぶり!』
俺『マスターっ!うわ〜スゲー懐かしい、ぜんぜん変わらないな〜。』
『お前、都会に出て少しは成長したか?』
俺『まぁ〜どうだろ?昔よりはね〜。 ところで、まだ誰も来てないの?』
『お前何も聞いてないのか?』
俺『えっ何?何かあったの?』
『詳しくはわからないんだけど、ほんの1時間位前だ、今日の準備で、幹事と準が早めにここに来たんだよ。
で、いろいろやってたら、お前らの同級生から連絡入って、二人とも血相変えて出ていっちゃったんだよ。』
俺『同級生って誰?』
『いや何も言わず、急いで出て行ったから全然分かんないんだよ。』
俺『そっか、じゃあ準に電話してみる。』
ケータイを見ると、準から10件以上着信が入っていた。 マナーにしていたから全く電話に気付かなかった。
なんか凄く嫌な予感がして、準に電話を入れた。
『お前、なんで電話に出ないんだよ!』
俺『ゴメン、マナーにしてて気付かなかった。今会場にいるんだけど、マスターに聞いたら、お前ら出て行ったって言うから。 どうしたんだ? 』
『実はな・・・』
この電話が、とてもツライ出来事の幕開けになるとは、この時は全く知らなかったんだ・・・