彼女にちょっと大きな声で言われて、うつむいて泣くの堪えてた私。
そしたら、ヒュン・・・
ヒュ・ヒュンッて彼女が「二重跳び」しながら、
「見て!こうやるの!」って私に顔を上げなさいって言ったわけ。
ああ、泣いてる場合じゃないって。顔を上げたのよ。頑張って出来るようにならなきゃ!って。
その私の目にね、
髪を振り乱し、スカートもまくれ上がり、おパンツも見えちゃってて、
お顔も、真っ赤で、何か表現しにくい感じになっちゃってて。
仁王様とか、雷様とか?閻魔様とか?とにかく、かわいらしいハズの彼女ではない感じの彼女がいたの。
あれは・・・「死に物狂い」って言うのかなぁ?
彼女も一生懸命だったんだと思うけど。
私は「!!」って動けなくなった。
と〜っても怖くなったのよ。幼心に。
何だ?目の前の、二重跳びしている生き物は!?
でね。
「早く!やって!やってみて!」って。何だか判別不明な生き物が縄跳び続けながら、私に言っているんだけど。
動けないんだよ。怖いから(笑)
「こう!やって!私!みたいに!すれば!跳べるよ!!」
顔も!?その顔、マネすんの!?(驚)
えぇっ!?どうやんの?判別不明な生き物にならなきゃ「二重跳び」ってクリアー出来ないの!?
私、即座に思いました。
「で・・・出来ないよ!怖いよ!それ元に戻れるの?」って、思わず言ってしまった私。
でも、「何が!?」って感じの彼女。疲労が増しちゃって、さらに怖い顔になってるわけで。
汗も、鼻水も出てた。
可愛いヘアゴムも何か変な場所に移動してた。
もう、何か手遅れな感じに見えた。別の生き物完成!!な感じがしちゃったの。幼心に。
そこで、ガシャーンって私の「素敵な彼女」は砕け散ってしまった。
マネ・・・出来ない!
無理!いくらなんでも、無理!!
出来ない自分の為に、彼女が頑張ってくれたのは理解出来ていたのよ?
本当に。本当よ。
もちろん、判別不明の生き物・・・、いや、
彼女に一生懸命「ありがとう」も言って、
深い意味も含めて「ごめんね」もたくさん言ったの。彼女、にっこり笑ってた。鼻水たれたまま。
人は見た目じゃないって言うけど、この時ばかりは見た目だったよ。
怖かったんだもん。
その日の夜、夢に出たからね。彼女。