あの日から、約一年半―\r
高校三年生の三月・・・。
淳に別れを切り出して、暫くは、お互い、殆んど口も聞かなかった。急に、私から別れを切り出されて、淳も、変な空気に耐えきれず、私を避けた。
淳は、私と日帰り旅行に行く為に探したバイトを、別れて、三ヶ月程して、辞めた。
数ヵ月して、以前から私にも話していた、知り合いの伝で、表参道の洋服店で、バイトを始めた。それからの淳は、以前より、服装も付き合いも、派手になり、私から遠い存在になった。
親友の茉莉子と麗華と淳と私の四人は、元々、四人で遊ぶグループだった。淳と別れて、暫くは、お互い避けていたが、淳がバイトを始めた頃から、段々、何も無かったかの様に、友達としての付き合いをする様になっていた。
もうすぐ、卒業式―\r
淳は、服飾専門学校へ進む事が決まっていた。私や茉莉子や麗華は、それぞれ、別々の大学に進む事に決まった。
淳は、あと卒業式まで三日と言う日の放課後、私を教室に呼び出した。
「悪いな、急に・・・。」
窓の外を見ながら、私と視線を合わさずに淳は言った。
「ううん、何?どうしたの?こんな所に来い、だなんて。」
「いや、うん、別に・・・。」
「用が無いなら、帰るね。」
「香里・・・。話しておきたい事が有るんだけど。」
二人だけで、話しをする事を避けていた私は、驚いた。
「あと三日で、俺ら別々じゃん?お前は、大学で、俺は、専門学校で・・・。」
「うん・・・。」
「進む道は、別々だけど、ずっと友達で居ような・・・。俺、ほんとは、ずっと今でも香里の事、忘れられないんだ。でも、頑張って、お前の事、友達だって、思う様に頑張るからさ、今までみたいに、茉莉子や麗華と、皆で仲良くやろうぜ。親友だろ?俺達・・・。」
親友―\r
自分が言い出した別れの筈なのに、辛かった。淳は、今でも私の事が好き・・・。胸が張り裂けそうだった。あの日が無ければ・・・、あの男達さえ、居なければ・・・。憎しみが、沸々と沸いて、収まりそうに無かった。