その時――
あたしの携帯が鳴った。
♪ ♪ ♪ ♪ ♪〜♪
BOOWY の B・BLUE。
聖人からメールが来た☆
あたしは、
携帯は基本的に何時もマナーモードにしてたんだケド、
最近は、ずっとマナーモードにしていない。
《もう、お前ん家の前まで来てっから。》
えっ?!そぉなの?!
ピンポーンッッ♪
『は‥‥はぁいっっ。』
急いでドアを開けるあたし。
『よっ!!』
そう言って微笑んでる、
あたしの目の前に立つ聖人の頭には、
ニットキャップが目深にかぶられている。
『どうぞ。上がって!!』
『おぅ。じゃあ、お邪魔します。』
取り敢えず、聖人に家に上がってもらった。
『聖人。此処に座っててね。』
聖人には、ソファーに座ってもらった。
あたしは、聖人の着てたジャケットをハンガーに掛けた。
ドキッ‥‥‥。
いい匂い‥‥‥。
聖人の何時もつけてる香水の匂いーー
『聖人、珍しいね。何時もキャップなんてかぶんないじゃん。』
髪がペチャンコになるから嫌だって言ってたような‥‥‥。
『おぅ。ちょっと髪切りすぎてよぉ。』
キャップの上からポリポリ頭をかく聖人。
『え〜〜っっ。聖人、髪切ったの?!
見たいっっ!!
ねぇ‥見せて見せてっっ!!』
あたしは、子供の様にはしゃいで、
聖人の隣に座り、
キャップを取ろうと手を伸ばした。
お互いにソファーに座ってるから、
チビのあたしでも手が届くもん。
『ばっ‥ばかっっ‥‥や、やめろっっ!!』
『いいじゃん別に。減るもんでもないんだしっっ。
見せてっっ☆』
『やっ‥‥やめろってっっ!!』
『嫌だよぉ〜〜っだ。聖人のぼーしゲット!!あっっ☆』
パサッーー
勢い余って、
黒のニットキャップが床に落ちちゃった☆