ところが、「初恋」のヤツってば、いきなり来たのよ。ガッスーンって。
中学生になって、すぐ。
別の小学校から入学した男の子でね。二回目の席替えで隣の席になって。
もう、ありがちで本当に申し訳ないけど。
教科書忘れた私に、教科書見せてくれたのがきっかけ。机を、こう・・・ピッタンコして。私に見やすいように、私の机の方に教科書寄せてくれてた。
もぅ、キュゥン!って、心臓わしづかみ。
時々、小声でね、
「今の説明よくわかんなかったよね?先生、話すの早いよね」って言うのよ。私に。
何だか憎めない感じの膨れっ面で。
ズッキュゥン!ついに撃たれた。一撃。もしくはバズーカ砲で木っ端みじん(笑)
彼に失礼だけど、彼は特別カッコイイわけでも、人気者でも何でもなかった。でも、何か私の知ってる「男の子」とは違ってたのよ。
毎日楽しかった。
朝、教室入れば隣にいるんだもん。気軽に挨拶だって出来るし、授業中にコソっとお喋りする事も出来る。
舞い上がりました。
毎日、何かささやかでも彼とのやり取り出来るのが、本当に嬉しかった。
「恋」って楽しいっ!!て思ってた。
おまじない、わかる?
『消しゴムに好きな子の名前を書いて、誰にも触られずに使い切る』
っていう。多少それにオプションが付いてる場合もあるらしいけど。
その、伝説のおまじないですよ(笑)
周りは小学生のうちにそんなの一度はやりましたよ?今更、何してんのアナタ。感じだったんだろうけども!(聞いた事ないからわかんないけど)
け〜ど〜も!もっ!!
私その時やっとおまじないデビューしました。
もう、始めたはいいけど気が気じゃなくてねぇ。
24時間消しゴム監視ですよ。セ○ムですよ。
厳戒体制ですよ。
お家に帰れば、兄弟多いから、いつ触られるか、わかんないでしょ?
学校では、間違っても机から落とすなんて事があってはならないわけじゃない?
『消しゴム=国家最重要機密』くらいの勢いなわけ。
そんな事してたら、
「はぁ?(疑)」って思うかもしれないけども。
私おまじない開始から、10日間くらいでボテコ卒業。めちゃくちゃ痩せたのよこれが!
どれだけ必死で消しゴムを護衛していたかわかっていただける?
空回りドン引き少女、この時、まさに本領発揮!