要くんと会うのは圭吾のお疲れ様会以来だった。
｢ごめんね、呼び出して｣
｢いぇ｣
駅前は人混みで賑わっているのにここのカフェは静かだ。要くんと二人とかってあまりないから変な感じ。
｢圭吾から聞いた？｣
｢何を？｣
｢俺と理沙ちゃん…｣
何の話かわからなかった。要くんのいいにくそうな感じは余りいい話じゃなさそうだ。
｢ごめん、聞いてない｣
｢そっかぁ…あのさ、俺…｣そして私は二週間前のことを聞いた。
理沙も圭吾も何も言わなかったから…
あっ…とっさに昨日の理沙の話を思い出した。
｢そぅだったんだ…｣
｢でも俺、理沙ちゃんのこと考えてるから｣
｢えっ…？｣
｢すぐにどうこうできる話じゃないけど…俺ちゃんと考えてるから｣
じゃぁ、どうして私にこんな話したんだろう…
ちょっとした沈黙のあと
｢あと遥の話なんだけど｣
｢えっ…｣
圭吾だけじゃなく要くんまで遥さんのことを知っているの？
｢遥なんだ、好きな女｣
｢…うそ…｣
意外だ
｢だから…圭吾も知っているの？｣
｢ぃや…元は圭吾の弟の彼女だったんだよ｣
｢…えっ…｣
｢弟は事故で亡くなったんだ…圭吾も一緒に事故に合ったんだけど助かった。圭吾の背中に大きな傷がある…事故の時の傷だ｣
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