「…二人共一体何してたの?」
戻ってきた俺達を見て麻衣は聞いてきた。
先生が答える。
「ああ、ちょっと宮野から今日提出のプリントを預かっただけだ」
「それだけ?」
「ああ、だよな宮野」
「まぁ…そうですね」
危うく折檻され掛けましたけどね。
「それだけなのに何で態々あっちの方に行ってたの?」
「ああ、それはだな、本来なら麻衣君に見せられないような事をする筈だったんだが…」
「非常に誤解を招く発言は止めてください!」
「ん?いや本当の事だしな」
「本当の事でも言わないで下さい!」
「…」
「ほら!麻衣がスッゴイひいちゃってんじゃないですか!」
これが原因で兄弟間の絆が消えてしまったらどうしてくれるんですか!
「お兄ちゃん…」
「な、何だ…」
「どんな事があってもお兄ちゃんは私の大切なお兄ちゃんだからね」
「先生!どうしてくれるんですか、この状況!」
「楽しいじゃないか」
「あんたって人は、他人事だと思って!」
「他人事だからな」
「っ!」
勝てない…!
やっぱ、この人には一生勝てない!
…ああどうしよう…そう考えると滅茶苦茶泣きたくなってきた。
うわーん、助けて誠さーん。
続