扉が開かれると同時にハリセンを振り上げ部屋に飛び込んだ――が…。
「あれ?」
どこにも居ない?
って不味い!このパターンは!
慌てて後ろを向く。
「遅い!」
後ろを向くと同時にスパンと軽い音がし頭部に軽い痛みが走った。
…また、やられた。
「ふっふっふ、そう簡単に隙は見せないよ」
同じようにハリセンを持った青年が口元に笑みを浮かべて言った。
「今日こそ勝ってやる!と思ってたんですけどね――誠さん」
「まだまだ、そう簡単に負ける訳にはいかないよ。えーと、これで何戦目だっけ?」
「これで三十八戦目です」
「ああ、そうだったそうだった。へぇ、三十八戦か…随分と戦ったもんだなぁ」
そう感慨深げに言って誠さんは朗らかに笑った。
「まっこっと…!」
ダッ!
「ん?」
「さぁぁぁぁん!」
「はぉ!?」
「おお…」
麻衣必殺殺人ダイブ発動。
あれ痛いんだよなぁ。
「いつっ…、やぁ麻衣ちゃん、久しぶり」
「お久しぶりですー!」
そう言って頬を擦り寄せる麻衣。
「あはは、相変らず可愛いな麻衣ちゃんは――よっと」
麻衣を立たせゆっくりと立ち上がる誠さん。
「ふぅ、よかった二人とも相変らず元気そうだな」
続