「でも姉ちゃん14なんだから料理できるようになんないと・・・」
「でも母さんがいたらもっとうまくできてたもん!」怒鳴り声と共に涙がボロボロとあふれる。
「なんで死んじゃったんだろ。母さん父さん・・・・・・」
「警察のせいよ!不審者を逃がすなんて・・・!バカよ!大バカよ!!」
マリアのボルテージはどんどんあがり、涙は滝のように流れた。ケヴィンも唇をかみしめ、我慢しようとしたがやっぱり涙は流れるのだった。
コンコン
こんな時間にだれだろう。二人は涙や鼻水で汚れた顔を拭いて玄関へ向かった。
「どなたですか?」
マリアは少しだけドアを開けた。
「すみません、一晩、泊めていただけませんか?」
そこに立っていたのは、若い女性だった。見た目から、18〜20歳くらいと推測できるだろうか。スラッとしたきれいな人だった。「で、でも・・・・」
二人は怖かった。不審者だったらどしよう。しかも知らない人なんて、怪しすぎる。
(母さんや父さんだったらどうしただろう。)
「お願い、お腹が減って死にそう・・・・」
バタンッ
見知らぬ女性は、その場に倒れこんでしまった。
これはもう、中に入れるしかなさそうだ。