目が覚めると、リビングらしき部屋のソファーで、女は寝ていた。
「やっと気付いた。はい、これ食べて。」
（そうか、私は家の前で倒れて・・・）
差し出されたシチューを女は一気に食べた。
「あっ・・・」
マリアの激マズシチューを女はあっと言う間に完食した。
「すごいや。姉ちゃんの激マズシチュー全部食べちゃった・・・！」
ケヴィンは唖然としたがマリアはうれしくてしょうがなかった。
「あの、お口に合いました？」
恐る恐るマリアは女に尋ねた。
「はい、とてもおいしいです。おかわりとか、いただけますか？」
マリアの目が輝いた。
「はい、もちろん！」
未だに、ケヴィンは唖然としたままだったが。
「あの、ところで、お名前は？」
シチューを頬張る女にマリアは聞いた。
「すみません。申し遅れました。私はフィオナ・ロゼッタと言う者です。いろんなところを放浪しては、親切な方々にいつも泊めていただいてます。」
フィオナという女はシチューのついた口でニッコリと笑った。
「フィオナさんか・・・きれいな名前ですね。なんか、フィオナさんはフィオナさんって感じです！」
マリアがうっとりするのも無理はない。
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