フィオナの肌は透き通るように白く、そして彼女は、まれに見ぬ美人だった。
「私はマリアって言います。こっちは弟のケヴィンです。」
愛嬌のあるフィオナがすっかり好きになったマリアとは裏腹に、ケヴィンはむすっとしていた。
(なんで姉ちゃんはあんな簡単に信用できるんだ。)
「ご両親は不在なんですか?あいさつをぜひ・・・」フィオナは気まずい空気に気が付いた。
「フィオナさん、実はね」「話すのかよ!信用できないやつに!」
フィオナは悲しい顔になった。
「話すわよ!フィオナさんは悪い人なんかじゃないわ!」
「俺知らないよ!?」
ケヴィンはそう叫んだあと自分の部屋へ閉じこもってしまった。
「あの、すみません。なんか、私のせいで・・・」
「いいんです。あいつ、反抗期なんですよ。気にしないで聞いてください。実はね・・・・」
翌日
あの事件などなかったかのような快晴。
あれから警察と消防員は周りから嫌われるようになった。
「“犯人を逃がしたドジ警察”“消火が苦手なのろま消防団”・・・・か。」
ウィルはもういやだというように新聞を閉じた。