「そうだ。俺はツチノコの守護者だ。いや、守護神だ。私は神だ」
何の影響を受けたのかは分からないが金の亡者だったナオからは黒いオーラを感じられなかった。
それどころか後光がさしているではないか。いや、そう感じるだけかもしれないが明らかに昨日のナオとは違っていた。
「…いったい何があったんだナオ」
当然の疑問だ。
「昨日神の使者が家に来たんだ。そして生命の大切さを諭された。そしてメフィスという名前を与えられた。次からはメフィスと呼んでくれ」
「…めんどくさいけどよろしくメフィス」
何てことだ。友人はアヤシイ邪教徒に捕まったらしい…。
だがこれで話はスムーズに進みそうだ。
「さぁオルフェウス、ツチノコを森へ返そうではないか」
すでに名前を付けられていたようだ。
しばらく神々の会話を楽しんでいるとユウキが登校してきた。
昨日言い争っていたせいか心なしか落ち込んでいるようだ。目を合わせてもすぐにそらして下を向いてしまった。
「遅かったなユウキ」
少し間があったがユウキは口を開いた。
「…こ、コタロウ…ツチノコの話なんだけど…」
「いいよ、分かってる。それよりお前今週の土曜日あいてる?隣町の山まで行くんだけど」
それを聞いたユウキは目を輝かせニッコリと笑った。
だがナオが気になったのかチラチラと顔色を伺っている。
「行こうではないかセレス、世界樹の根本にソッと置いて帰ろう」
「セレス…?なぁにそれ?」
今この教室には三人の神が存在している。そういうことになる。