初恋-夏のかけら-

 2008-10-13投稿
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昔と何一つ変わらない場所。いろんな思い出がある。
かくれんぼ、お昼寝、宿題、歌も歌って、泣いて、笑って…

私達は境内階段に腰をおろした。彼が急に話しだした
「オレらが初めてキスした場所だな」
「えっ…あっ雨宿りして」
雨宿りしていて止まない雨に私が泣き出して…
「小さかったしな、キスとか思わなかったけど…」
「けど?」
彼がまっすぐ私を見る。
「あの頃から、ずっと守っていこうって思ってたよ」
まっすぐな言葉に涙が出た。なんの涙なのかはわからない。ただとまらない。
「遥は、泣き虫だな」
私は彼の胸をかりてまるで小さい子どもの様に泣いた。彼はずっと抱き締めてくれていた。
幾分泣いてすっきりすると彼は立ち上がり手を差し出した。笑顔で
「帰るか」
私は頷いて手をとった。
帰り道に彼が言った。
「離れているから全ては守ってやれない。だから言いたくないことは聞かない。ただ信じろ。俺の気持ちは変わらないから」
私はこの人にはかなわないと思った。
「うん、ありがとう」
「おぅ」
迷い、悩み、信じた先に一筋の光。この光は尊く儚い。だからこそ大事にしなきゃいけない。その光を信じる強さを、守れる勇気を持ちたい。そう思った。



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