湖畔【5】

りみ  2008-10-13投稿
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駿はまるで佑子に気付いる素振りは見えない。
覚えていないのだろうか?
「おい、佑子」
「えっ、何?」
不意に健治に声を掛けられ慌てて返事をする。
「明日の休みなんだけどさ…」
「うん…」
少し健治は申し訳なさそうに
「こいつの引っ越し一緒に手伝ってほしいんだけど…」
「えっ?」
「いいよ、健治。大した荷物でもないし、俺一人でも大丈夫だから」
駿が口を挟む。
「それに明日は久々の休みだろう」
そう確かに明日は日頃から忙しい健治にとって、何ヵ月ぶりかのきちんとした休みだった。
「何年か振りに会った幼なじみじゃないか」
健治がそう答えると
「あっ、私も大丈夫です。お手伝いしますよ」
佑子は続けて言った。
「よしっ、そうと決まれば松も呼ぼう」
松とは同じく健治の幼なじみだ。
「ちょっと電話してくる」そういうと席を離れ店の外に出て行った。

「すみません。せっかくのデートを邪魔してしまって」
駿が話し掛けてきた。佑子は、二人きりになったことに少し緊張していた。
「いえ、ホントいいですよ」
「ありがとうございます。」ふっと駿が微笑んだ。
一瞬ドキッとした。
「それにしても驚いたよ。あの時の貴女が健治の婚約者だなんて…」
続けて発せられた駿の言葉に佑子は言葉を失った。目を丸くして固まって、駿を見ることしか出来なかった。

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