あの事件で家族を失った人たちが次々と警察や消防団を訴えた。もちろん警察はウィル、メレディス、ハリソン警部の三人だけではない。小さな街の警察署とは言え何十人もの人間が勤めている。これは全体に関わる問題なのだ。 しかしハリソン警部はその責任を全て自分がとると言い、辞任表明を出した。もちろんそんなことじゃ片付く話でもないが。
ウィルやメレディスも、しばらくの間、働くのを禁じらることになった。
そのため、退屈な時間を自分の家で過ごさなくてはならない。
(俺には、やらなきゃならないことがあるってのに)
病院が炎に包まれたくさんの人が死んだ日、ウィルの記憶は悪夢となって再び呼び起こされた。
たくさんの人間が死んだ。残酷な事件・・・・
「ロザントンノイズ事件」一人の若く、きゃしゃな青年が、大柄でいかつい男たちに囲まれた中で、堂々とその言葉を口にした。
「僕の故郷でもある、ロザントン、あるいはこの中にもロザントン出身の人がいるかもしれないね。そうでない人も、ここに集まる人はみんなこの街の事件の被害者。」